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こんなふうに、暮らしと人を書いてきた
著者:大平一枝
価格:1760円 |
はじめに
新聞の書評欄で見つけた。
東京で暮らす人々の台所を取材した連載は、10年以上続く人気シリーズだ。
10年以上の人気連載を書くライターが、こんな返信をもらったらショックだ。
忘れられない苦い経験がある。40代女性を取材し、原稿をチェックしてもらったところ「私はこんなにかわいそうな人に映っていたんですね」というメールが返ってきた。
詳しく知りたくなった。
他の失敗談も読めることも期待した。
読んでとても参考になった。
ライター生活をセキララに語っている。
集中力がない時はカフェに出かけて、周りの集中力のおこぼれをもらう。仕事場は外が見える場所が良いだとか共感する。
編プロ時代の失敗や教えてもらったこと、独立してからの話、子供が出来てからの話、家を買う時の話、取材の時は録音しない話、取材相手との向き合い方など。
文章の書き方よりもライフ寄りの話が多く、ライターになりたい自分にはとても参考になる話ばかりだ。
そのなかから、心を持っていかれた話を3つ紹介したい。
壁を向く
映画では数回に一回泣きそうになる。少し涙もろいかもしれない。
でも本を読んで泣くことは少ない。
読む本はビジネス系やノウハウ系などのノンフィクションが多いので、泣く方向に感情が振られることがない。
なのに泣いた。
「じつは〇〇君が最近、お友達が家族でどこ行ったとかあそこ行ったって話していると壁を向いちゃうんです。私たちもご両親ともお忙しそうだな、園でできるかぎり支えようねって副担の××先生といつも話しているんですが、壁を向いてしまう姿を見て、胸がいっぱいになってしまって……」
考える前に、涙がわっと噴き出した。
ぎゅっと心をつかまれる。
だが自分なら隠したい話だ。
この後の話がライフワークにつながって行く、人生の岐路だ。
文を書いて世に出す人は一読する価値ありだ。
翳りゆく
もう一つ感心したのが、松任谷由実の歌詞の分析である
大平さんと同じ『翳りゆく部屋』が大好きだ。
ずっとなぜ心に響くのか、わからなかった。
とくに二番の歌い出し「ランプを灯せば街は沈み 窓には部屋が映る」の一行が震えるくらい好きだ。
このあと具体的な分析が描かれていて、とても的確だ。気になるって人はぜひ読んで欲しい。
ライフワークの追求
最後にライフワークとライスワークの話も、具体的な取り組み方の話が参考になった。
「なにか書きませんか」「なにか企画ないですかね」と言われたら、とにかくすみやかに球を三つ投げられるようにしていた。
サラッと書いている。一冊の本に仕上げるためには、ある程度のボリュームが必要である。常に準備しなければならない。
自分にできるか自信はない。
大平さんは続けてきた。だから今がある。
おすすめ度
⭐️⭐️⭐️⭐️
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